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  • 執筆者の写真Madoka Nakamaru

どこまでも自由

大変ご無沙汰しておりました!モーツアルトのレクイエムとアルヴォ・ペルトの演奏会のオランダツアーに引き続き、ラモーとベンダによるピグマリオンのレコーディングを駆け抜けたまるっとまどか。(このプロジェクトについてはまた追々綴りたいと思います)気が付けば街はクリスマス一色。ルーヴァンの市庁舎も美しくライトアップされています。

プロジェクトの合間を縫って生徒を教えているのですが、子供の生徒であってもそこは人間対人間の関係。お互いに尊重しあわなければいけません。時にはレッスン中に話し合いになることも。「失敗したくない」から弾きたくない、と言う子に「音楽に失敗は無いよ。美しいか否かだよ。ん?納得してないね。」さて、どうしたもんか。ヴァイオリンへの躊躇を一緒に取り除かなきゃいけない。これは体当りするときが来た。「じゃあ私がする事真似してごらん」と言って音がきしむほどのフェルテッシモでがむしゃらに弦をこする。そこには目を輝かせて一生懸命真似するその子がいた。そこでヴィヴァルディの冬のソロの冒頭を超高速で弾いてみた。冬の寒さに身震いするシーンだ。「何それ!すごい!」「ヴィヴァルディっていう人が作った冬っていう曲」「もう一回弾いて!」3回も4回も繰り返し繰り返し。全く子供は真剣勝負だ。そこからその子のスイッチが入ってしまった。入れてしまった私の責任でもある。しょうがない、今日は100%あなたの世界で遊ぼう。あなたも私の世界に歩み寄ろうとしてくれたんだからね。

その世界は限りなく自由。その子は指揮者になって私に素晴らしい即興をさせ、オペラ歌手にもなり、見事な台本を作り上げた。子供という天才と過ごした強烈な時間だった。

レッスン時間が過ぎてもまだ夢中になってもはや「音楽」をしているその子を見て微笑ましく思った。

さて、次はあなたが私の世界に歩み寄って協力する番だよ(笑)その表現したい事を実践するための準備が練習でありレッスンなんだよ。大丈夫、できるって。過去の自分にも言ってあげたい、とふと思ったまるっとまどかでした☺

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